心がチクチク痛む。


『…里桜が誰を好きでも、俺はあいつを想ってます。なんか里桜は、いつも誰かのために一生懸命なんですよ。里桜を見てるうちに、いつの間にか同期や仲間を通り越して1人の女性として好きになってました。すごく好きです、本気なんです』


『そんなこと…』


『本当にすみません、美穂先輩と俺が付き合うことは無いので…だから…職場でいろいろな噂を流すのは止めてもらいたいです』


『ひ、ひどいよ、私は明日誕生日なのよ。なのにフラレるとか…有り得ないんだけど。もう何もかも嫌になる』


投げやりなセリフと共にうなだれた姿を見たら、ちょっと言い過ぎたって反省した。


『美穂先輩の仕事に対する姿勢もですけど、ブーケも挙式の飾り付けの花選びもすごくセンスがありますよ。その才能をこれからも発揮して頑張って下さい。俺は頑張ってる美穂先輩を尊敬してます』


精一杯、言葉を並べた。


『…』


ギュッと目を閉じる美穂先輩。