『また「ちょっと」…って曖昧なこと言うつもり？』


今度は少し怖い顔をした。


美穂先輩の喜怒哀楽の変化にはついていけないな。


『いえ、あの…俺、女性と2人で食事とかあんまり行かないんで』


『恭介君、嘘つきだね。里桜ちゃんとは2人でご飯行くのに？私とは行かないってこと？』


美穂先輩は、更に顔を強ばらせた。


『り、里桜と？』


『そうよ、この前2人で歩いてたよね？私、見たんだよ。私の誘いは断ったのにって、すごくショックだった』


『…』


あの時のこと見られてたんだ。


よりによって美穂先輩に…


『何？恭介君って…まさか里桜ちゃんのこと好きなの？嘘でしょ？』


『え？どうして嘘だって思うんですか？』


質問の意味がよくわからない。


『だって…里桜ちゃんって…そんなに女性として魅力的じゃないし、仕事だってまだまだだし』