憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

一瞬にして私の体は熱を帯び、呼吸も上手く出来なくなって、思考能力は停止状態に陥った。


1歩も動けず固まってる私に、


『大丈夫?里桜ちゃん』


って、まだ髪に触れたまま言われて…


真っ赤になってることが確定してる私の顔を、先生はちょっと姿勢を低くしながら覗き込んだ。


いや、その顔、綺麗過ぎるよ…


追い打ちをかけるような行動に、もう心がいっぱいになって「千隼先生から離れなきゃ」って…ようやく脳に司令がいった。


私は自分を取り戻し、先生と少しだけ距離を取った。


『…あ、あの、い、今のはどういう意味なんでしょうか?』


って、バカみたいにストレートに聞いてしまった。


こんな言葉しか思いつかなかったから仕方ないけど、本当に私って情けない。


『今の?』


『…はい』


『僕と里桜ちゃんが…とりあえず、付き合うフリをするっていうこと』