憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

『里桜は…どうして彼氏を作らないんだ?』


え…


千隼先生にこんな質問されるなんて…


どう答えたらいいんだろ。


『どうしてって…あの、今は仕事で精一杯で、もっともっといろいろ勉強もしたいですし、えと、他にも…』


千隼先生は、慌てて話す私のことを微笑みながら見てる。


『と、とにかく、彼氏とかあんまり考えられないんです』


間違ってないよね、この答えは…確かに正解。


先生のことずっと憧れてるなんて、恥ずかしくて口が裂けても言えないから。


『ならちょうどいい。僕達はお互いに相手がいない同士、それに2人とも両親を安心させたいと思ってる。だったら何も悩むことないだろ?』


『え?な、何のことですか?』


ちょうどいいって…?


どういう意味?


さっきからこの状況に頭がついていかないよ。


『今から里桜は僕の彼女』


甘い声でそう言いながら、千隼先生は私の耳の辺りの髪にそっと触れた。