憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~

建物が美しくライトアップされてるから余計かも知れないけど、あまりに魅力的なその姿にさっきからドキドキが止まらない。


昔からカッコよかったけど、こんなにも素敵になるなんて聞いてないよ…


『里桜ちゃん、これ』


先生が名刺を差し出したその手は、細くて長くて全然ごつごつしてなくて…爪まで綺麗で。


改めて見ても、ダメなとこなんて全く無いと思った。


163cm、ブラウンのショートボブの平凡な私とは住む世界が違う。


違い過ぎる。


仕事だけは一生懸命前向きに取り組んでるつもりだし、人生に消極的な訳ではない。


だけど、恋愛経験かなり少なめの私には千隼先生は眩し過ぎて…


『め、名刺、頂けるんですか?』


『ああ。後ろに番号とアドレスを書いたから』


『え?』


『それはプライベートな番号だから安心して連絡してきて。いつでもいいから』


そんなこといきなり言われても、私から気軽に連絡なんて出来ないよ。