倉木蓮、もしかしたら今ここで心臓が止まってしまうかもしれません。



「まって、むり……かっこよすぎる……」



前半のプログラムが終わり、教室でお昼休憩をしていたんだけれども。



「こ、今年の衣装が学ランだなんて聞いてない」
「言ってないからね」



丈が膝下まである真っ黒の学ランに、白いタスキ。

誰よりもその衣装を完璧に着こなしている八千代くんは、お弁当のお箸を持ったまま口を大きく開けている私を見て笑った。


対して私はバッと八千代くんから目を逸らして。



「午後から応援団のパフォーマンスがあるもんね!似合ってる!すごく!」

「蓮、私のこと見ながら言うのはおかしいでしょ」