俯きながらポツリと放たれた言葉にツッコむと、八千代くんは自分の足元を見たまま笑った。
「褒めてるんだよ。倉木のそーいうところ、たまに腹立つけど」
「や、やっぱり悪口……!」
「ていうか、百合さんがここにいなかったらどうしてたの」
「えっ!来てないの!?」
「いや多分仁と来るよ。毎年こーいうイベントは欠かさず観にくるから」
「2人の母校だし」と、そう続けながら長テーブルに肘をつく。
それから横目でちらりと私を見て、小さく笑った。
「倉木が巻き込んだんだから、倉木も俺のことちゃんと見ててよ」
「へ……」
「見てて。分かった?」
「……うん!」
しっかり見てるから、だから、八千代くん、がんばって。

