赤、紫、オレンジ、青。
カラフルな色の生徒達が順番にゴールテープを切る。



「……倉木は、何でそんなことできるの?」

「そんなことって、何?」



グラウンドから視線を外して、八千代くんは私を真っ直ぐに見つめた。



「俺のために色々考えてくれるでしょ。嫌じゃないの?」

「え、」

「もし俺が、百合さんと上手くいったらどうするの」



八千代くんが、百合さんと?
……そんなの決まってるよ。



「八千代くんが幸せになるんなら、私はそれで十分だよ」
「……」

「八千代くんが笑ってくれるのが、私の幸せだもん」



あなたの笑う顔が、私は好きなの。



「……倉木って、頭悪い。」

「っちょ、悪口だよね!?」