八千代くんのものになるまで、15秒



「ちょっと?馬鹿にしてる?」

「してないしてない」



頬を膨らます私に、「変な顔」って、八千代くんは冗談っぽく言った。


まったく……八千代くんってばいつも私のことをからかってくる。

……これっぽっちも嫌じゃないけど。


 

「倉木は体育祭なにでるの」
「え?」

「再来週にあるじゃん。今日のホームルーム、体育祭の種目決めだったよね」




自分の席に座って買ってきたペットボトルのキャップを開けながら八千代くんはそう言う。

そっか。
すっかり忘れていたけれど、再来週は体育祭だった。



「何にしようかな……」
「去年は何にでたの?」

「100m走と選抜リレーだよ」



今年は何に出ようかな。
玉入れとか借り物競争とかも楽しそうだよね。