シャツの第一ボタンしか開けていないところが八千代くんらしいし、
「今日暑いもんね」って、ほんの少し困り顔で笑うその表情もたまらない。
「聞いてよ、八千代。蓮が何か考えごとしてるみたいなのよね」
「ちょっ、梢!っ考えごとっていうか、私はどうすれば八千代くんが……」
八千代くんが、笑っていられるのかを考えていただけで。
……でも、最後まで言う前に口を閉じた。
だめだめ。
梢にも八千代くんの気持ちは言わないよって、電車の中で私そう言った。
八千代くんに約束したから、これ以上は言わない。
「八千代が?なに?」
「……や、八千代くんの魅力に皆が気づいてくれるのかなって!」

