おかげで過去最高点を取ることが出来たんだよ。
もちろん、昨日ちゃんとお礼を言った。
『俺じゃなくて、倉木が頑張ったからだよ』って、八千代くんはいつものように柔らかい笑顔を浮かべてた。
いつものように八千代くんの笑顔に見惚れていたら、『見すぎ。』って、今度は意地悪な顔をして言ったから。
やっぱり私は胸がいっぱいいっぱいになって、幸せだなぁって、思った。
「へー……梓希にね。仲良いじゃん」
「え!仲良さそうに見える?」
そう見えるのなら嬉しいんだけど!
「なぁに分かりやすく嬉しそうな顔してんだよ。
梓希のこと好きみてーじゃん」
ニヤニヤと顔を緩ませて、冗談ぽく言った瑛士に、私はポカンとしてしまう。
いやね、好きみたいっていうか……
「私、八千代くんのこと好きだよ?」
1年生のあの時から、私は八千代くんのことばっかり目で追っちゃうの。

