八千代くんのものになるまで、15秒



「っあの、ありがとう、一緒に出てくれて」
「はは、急にどうしたの?」

「だって、準備とか大変だったし……それに、倉木さんと付き合ってるのに」



最初は、梓希くんは出場を断るんじゃないかと思ってた。


体育祭の後、梓希くんは倉木さんと付き合ったという噂が流れたし、
事実、本人から彼女がいるからとご飯の誘いを断られたこともあったから。

だから、まさか自分とペアになってコンテストに出てくれるとは思わなかった。



「……倉木さん、嫌な気分になってないかな……」
「大丈夫だと思うよ。せっかくなら出なよって言ったのは蓮の方だし」

「そうなの?」
「そう。少しは嫌がって欲しかったけど」



冗談っぽく言った梓希くん。