八千代くんのものになるまで、15秒






『──っ大丈夫?』



あの時、階段から落ちそうになった私を助けてくれた時から、
梓希くんは、私のヒーローなんだよ。






「じゃあ、あとはリハーサル通りにお願いね!」



体育館の舞台袖、私を含めたコンテスト出場者たちがそれぞれ頷く。

緊張している1年生、楽しそうに笑う3年生。


舞台では今は吹奏楽部が演奏中。
この次に、いよいよミス・ミスターコンテストが始まる。

文化祭の一大イベント。
体育館には、大勢の人たちが集まっている。



「大丈夫?」



心配そうに顔を覗き込んできた梓希くんに、ハッとした。



「大丈夫っ。ちょっとぼーっとしてた」



私の言葉に梓希くんは柔らかく笑う。
そんな彼の表情に胸が鳴る。