口元に笑みを浮かべたまま、いつものように本の文字をなぞる。

……いや、ていうか、"誰でも良いわけじゃない"ってさらーっと仰られてたけども……




「やっぱり、八千代くんは女遊びを……?」




恋人でもない人と、キスマーク付けたり、付けられたりするようなことをしてるの?


そう聞くと、彼はチラリと私を見てから可笑しそうに笑った。




「さぁ?」

「……八千代くんって、意外と適当だよね……」

「そうかな。割と真面目だよ」




知ってるよ。

委員会も日直の仕事もサボらないもん。




「倉木はいつも俺のこと見てるよね」