「自販機いくの?」
「うん、そうだよ」
「俺もいく」



パッと離れた梓希くんをじっと見つめる。
「なに?」と、優しく笑いかけてくれる彼に首を振って、階段を降りた。

……なんか、当たり前のように私の隣にいてくれるから、
こういうの、くすぐったくて、そして嬉しい。

梓希くんと付き合うようになってから、毎日が幸せで仕方がない。




「……あ、八千代先輩だっ」
「本当だ!せんぱーい、校内で彼女さんとラブラブしないでください〜」




1階の廊下を2人並んで歩いていると、前から女の子2人組が手を振ってきた。

上履きの色がちがう……だからきっと1年生。
そして梓希くんと仲良さそうなのをみると……


「一緒に応援団やってた後輩」と、小さな声で梓希くんが教えてくれた。