ぎゅっと、少し力強く手を繋いでくれた八千代くんに、胸が暖かくなってくる。
「八千代くんの、全部が好きです」
「うん」
「ローファーを一緒に探してくれたあの日から、私、八千代くんのことが好きだった」
これから、一緒にステキな思い出を作ろうね。
一緒に楽しい時間を過ごそうね。
「八千代くんのこと、大切にする」
「はは、なんか男らしいね」
「だって、好きなんだもん。傷つけたくないし、笑ってて欲しいよ」
そう言うと、八千代くんは嬉しそうに笑った。
「帰ろっか!」
八千代くんが笑ってくれると、私も嬉しくなってくる。
幸せな気分で満たされた私は、駅の方へと足を向けた。
「──倉木、」

