「──あ、隣は倉木なんだ。よろしく」

「よ、よろしく……!」




席替えっていうシステムを最初に作ったのは一体どこの誰なんだろう。

いや、もちろんね。
密かに推している八千代くんの隣の席になれたのは光栄なことなんだけれどね。


これはこれで思う存分八千代くんのことを眺められないというか!

だって即バレちゃうでしょう?
隣から熱い視線感じちゃうでしょう!?



それにね、




『彼女でもない人とでも、こーいうことは意外と出来ちゃうんだよ』




物静かで、そういうものには疎い人だと思ってた八千代くんが、

まさかあんなことを言うとは思わなかったし、


遊び人なのかもしれないって、考えたら、なんか……




「警戒してる?」

「えっ、何で分かったの……」

「はは。隠す気ないよね」




気が気じゃないというか。




「大丈夫だよ。誰でも良いわけじゃないから」