"ガキ"の部分をわざとらしく強調した仁さんは、挑発するように口角を上げる。

そんな仁さんに、八千代くんがムッと眉を寄せたのがわかった。

滅多に見れない八千代くんのそんな表情に、場違いだけれど、キュンと胸が鳴る。

だ、だって、なんかかわいい……。



「……じゃあ、もうガキでいーよ」
「あ?」

「倉木のこと好きになられても困る」

「……」

「倉木の良いところは俺だけが知ってればいいから」



カウンターに置かれたクリームソーダを持って、ニコリと八千代くんは笑った。



「"今度は"ぜったい、誰にも取られたくなかったから、強引にでも倉木を自分のものにしたんだよ」



きゅ、と唇を引き結ぶ。
八千代くん……