『──デートだから、邪魔しないでよ、仁』
洗面所で手を洗いながら、さっきの八千代くんの言葉を思い出す。
……まさか、あんな風に言ってくれるなんて。
どうしよう。にやけちゃう。
私、八千代くんの彼女になったんだなって、今になって実感してきた。
でもまさか、八千代くんがこんな私のことを好きになってくれるなんて……。
今考えても奇跡に近い話だよね。
だって、美人で優しい百合さんのことがずっと好きだったじゃない……?
……百合さんのことは、本当にもう未練はないのかな?
「……」
もし、まだ少しでも気持ちが残っているのなら……
そうだとしたら、私は、どうしよう。
って、ダメだ!八千代くんを疑うようなこと考えるなんて、最低すぎる!

