八千代くんのものになるまで、15秒



『──デートだから、邪魔しないでよ、仁』



洗面所で手を洗いながら、さっきの八千代くんの言葉を思い出す。

……まさか、あんな風に言ってくれるなんて。


どうしよう。にやけちゃう。



私、八千代くんの彼女になったんだなって、今になって実感してきた。

でもまさか、八千代くんがこんな私のことを好きになってくれるなんて……。
今考えても奇跡に近い話だよね。


だって、美人で優しい百合さんのことがずっと好きだったじゃない……?

……百合さんのことは、本当にもう未練はないのかな?




「……」



もし、まだ少しでも気持ちが残っているのなら……
そうだとしたら、私は、どうしよう。

って、ダメだ!八千代くんを疑うようなこと考えるなんて、最低すぎる!