窓際のこの席は、外の光が入ってくるおかげで、薄暗い店内でも八千代くんの表情がよく見える。
と、いうことは。
八千代くんも私がどんな顔をしているのかがよく分かるというわけで。
だから、もう遅いかもしれないけど、私は慌てて顔を逸らした。
「……あの、あんまり見ないで」
「なんで」
「は、恥ずかしいので。私いま、顔真っ赤で、ぜったい可愛くない」
クスクス、八千代くんの笑い声が聞こえる。
どんな顔で笑っているのか、見えていないけれど想像はできる。
「っ、お、おすすめのメニューは!」
八千代くんのペースになると私の心臓がもたなくなってしまうから、
そう言ってなんとか話題を逸らした。

