へぇ……ここが八千代くんのバイト先……
いつもあのカウンターの向こうで珈琲とかナポリタンとか作ってるのかな。
どんな格好して働いてるんだろう……気になる……
エプロンとか?爽やかに白シャツとかかな……
「倉木って考えてること分かりやすいよね」
「えっ」
突然そんなことを言った八千代くんをバッと見ると、クスクスと優雅に笑われた。
『一枚も二枚も上手な八千代にいっぱいいっぱいになってる姿が簡単に想像出来るなぁと思って』
うう……今日の梢の言葉通りになる予感がしてならない。
なんて、そう考えながら心の中で苦笑いをした時。
「──え、なんで梓希来てんの?おまえ今日シフト入ってなかったろ」
カウンターの奥から聞いたことのある声がした。