八千代くんのものになるまで、15秒



「っ、それやめてっていつも言ってるのに……」



振り向きざまに瑛士をジトッと睨むと、彼は悪戯が成功した子どものように笑った。

まったく……こーいうところは昔から変わらないんだから。



「なに、なんか忘れた?」
「ううん、そうじゃなくて……あのね、」

「なんだよ」



うぅ、いざ、幼なじみに伝えるとなると緊張するな。
家族みたいにずっと一緒に過ごしてきたから、どんな顔で報告すればいいのかも分からないや。



「……彼氏できた」



深呼吸をしてから、小さくそう言う。

でも、瑛士からの反応がいつまで経ってもない。

「瑛士?」と名前を呼ぶと、ハッとしたように「あぁ、」って、ようやく反応してくれた。