八千代くんのものになるまで、15秒



あぁ、もう。どうしよう。

ドキドキし過ぎて、倒れてしまいそうだ。



「……日向さんとは、最初から出かけるつもりはなかったよ」
「え?」

「連絡先も、後で交換しよ」
「えっ!」

「あと、下の名前で呼んでいーよ。」
「……っうん、」

「ていうか、今呼んで」



えっ、い、いま!?
それはちょっと……心の準備が……っ



「呼んで。」

「ぅ、」



ん?と小首を傾げて、悪戯っぽく笑う八千代くん。
なんか、もう、色々ずるい。



「……っし、しき、くん」



小さな声で名前を呼ぶと、彼は嬉しそうに、花が咲いたように笑った。