色々といっぱいいっぱいで。
そんな私に気づいているくせに、八千代くんはその手を止めてはくれない。
「顔、赤いけど大丈夫?」
なんて、上から優雅に笑う八千代くんに首を振って見せれば、
「もう少しがんばって。」
とか、笑みを浮かべたまま訳の分からないことを言う。
《蓮?》
「っ、うん、」
《お前ももう帰るなら教室まで迎えにいくけど》
左耳、首筋、腕をつたって、八千代くんはこの前と同じように私の指に自分のを絡めた。
そばにしゃがみ込んで、目を見開いている私に向かって妖しく笑って。
それで、
「っ!」
彼はそのまま、指に、キスを落とした。
「──っわたし、まだ帰らないから、先に帰ってて……!」

