八千代くんのものになるまで、15秒



色々といっぱいいっぱいで。
そんな私に気づいているくせに、八千代くんはその手を止めてはくれない。



「顔、赤いけど大丈夫?」



なんて、上から優雅に笑う八千代くんに首を振って見せれば、



「もう少しがんばって。」



とか、笑みを浮かべたまま訳の分からないことを言う。



《蓮?》
「っ、うん、」

《お前ももう帰るなら教室まで迎えにいくけど》



左耳、首筋、腕をつたって、八千代くんはこの前と同じように私の指に自分のを絡めた。

そばにしゃがみ込んで、目を見開いている私に向かって妖しく笑って。

それで、



「っ!」



彼はそのまま、指に、キスを落とした。




「──っわたし、まだ帰らないから、先に帰ってて……!」