あんまり瑛士と話したことないだろうし、気使わせちゃうかな……
うーん、でもまだ八千代くんと一緒にいた、い──……
「え……」
八千代くんが、いつの間にか私の目の前にいた。
自分の席に戻るでも帰るでもなく、私の目の前に。
ゆるりと目を細めて、ポカンとする私の髪を優しい手つきで撫でる。
その瞬間、ドッと心臓が鳴った。
「っ、な」
《あ?なに?》
瑛士の声に、慌てて「なんでもないっ」と言うけれど。
八千代くんに対して"なに!?"という意味を込めて視線を送るけれど。
「つづけて。」
なんて、八千代くんは言うから。
八千代くんの細長くて綺麗な指が左耳に触れて、なんかもう、くすぐったいし、心臓は痛いくらいにドキドキしてるし。

