八千代くんのものになるまで、15秒



あんまり瑛士と話したことないだろうし、気使わせちゃうかな……

うーん、でもまだ八千代くんと一緒にいた、い──……



「え……」



八千代くんが、いつの間にか私の目の前にいた。
自分の席に戻るでも帰るでもなく、私の目の前に。

ゆるりと目を細めて、ポカンとする私の髪を優しい手つきで撫でる。

その瞬間、ドッと心臓が鳴った。



「っ、な」
《あ?なに?》



瑛士の声に、慌てて「なんでもないっ」と言うけれど。
八千代くんに対して"なに!?"という意味を込めて視線を送るけれど。



「つづけて。」



なんて、八千代くんは言うから。

八千代くんの細長くて綺麗な指が左耳に触れて、なんかもう、くすぐったいし、心臓は痛いくらいにドキドキしてるし。