八千代くんのものになるまで、15秒



ぽつりぽつりとそのことを伝えると、八千代くんは「そう」って、返事をするだけ。

私達しか残っていない教室に、しばらく無言の時間が流れた。


ブーブーッ──


パタンと、八千代くんが日誌を書き終え閉じた時、机の上に置いていた私のスマホが誰かからの着信を知らせた。


画面に表示されているのは瑛士の名前で。



「あ、ごめん電話……」



出てもいいかな?なんて、そう聞こうと八千代くんに視線を移すと、



「っ、え」



ジ、と私を見つめる彼と目が合った。
なにを考えているのか分からない表情。

八千代くん?



「あの……」
「出なくていいの?」

「あ、うん、出るけど……」



いつもと様子が違う八千代くんを不思議に思いながら、瑛士からの電話に出る。