体育祭が終わってから、なぜだか八千代くんの周りが騒がしい。



「あー、八千代のファンがあんた以外にも出来たからじゃない?」

「えっ、そうなの!?」



教室移動のために歩いていた廊下に私の声が響く。

並んで歩いていた梢は「うるさいなぁ」とため息を吐いた。



「ほら、応援団の男子で1人だけ前髪あげてなかったでしょ。それで逆に目立ったみたいね」
「な、なんと……っ」



ま、まぁ八千代くんが素敵な人だってことがたくさんの人に知られるのはとても良いことだとは思うけどっ。

思うけどさぁ……っ!



「それになんか大人びてるじゃん?周りの男子と比べて余裕があるっていうか……それもファンができた理由の1つみたい」