地獄で待ってて





✕ ✕ ✕



次に目を開けると目の前からは彼女は居なくなっていて




確かな体温もなくなっていた。




あるのは冷たい小指と青い空だけ。




赤い空も暑い炎も彼女もどこかに消え去り残ったのは私1人。





―― 現実は地獄より地獄だ。



私は腫れた腕に手を置く。



それでも、生きると約束した。




彼女と地獄で。





だから生きる。生きなくては約束を破ってしまう。



彼女が泣いてしまう。




それは嫌だ。




久しく流れていなかった雫が頬を伝うのを感じる。



私は目を強く閉じた後、どこまでも青く広い青空に向かって呟いた。








「“地獄で待ってて”」











と。






久しぶりの涙はやっぱりしょっぱくて不味いと思いながら。