「ところで閻尭様」 「なんだ?」 「その娘は刑罰対象の亡者ですか?」 棍棒の人が私を指差し訊ねる。 「違う。というかこの子は亡者でもない」 それ言っちゃっていいのかな。 「はっ!?」 予想通り棍棒の人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で私を見てくる。 「…… てことは、生者かなんかですか」 「生者かなんか、ではなく生者だ」 堂々とした答え方に棍棒の人は頭を抱え溜め息をつく。 「生者地獄に招き入れるとか閻魔様が聞いたらえらいことになりますよ」