「遠くで見ても大きかったけど、近くで見るともっと大きいね」 「ま、血の池に続く地獄の名物だからね~」 見上げれば赤い空に向かって高く恐ろしく伸びる針の山。 私はその麓にある針を慎重に触る。 「?あんまり痛くない?」 「もっと鋭い切れ味だと思った?」 「うん」 針の上に指先を滑らす。 「もっとカッターとか包丁みたいに痛いのかと」 「いやぁ、それだと亡者が登る気にもなれないじゃん?だからギリギリ痛いけど掴めるぐらいの針の鋭さにしてあんの」