「おっ、さすが亜澄の親友! 亜澄の特にいいところって、やっぱりその辺だよな~」

「そうそう! これなら、千早くんには安心して亜澄を任せられるわっ」

「やりぃ、親友のお墨付きゲット~」

 なんだか知らないけど、桜子と千早くんはふたりでとても盛り上がっている。

 まあ、私の親友と千早くんが仲良くしてくれるのは素直に嬉しいけど……。

 自分の魅力だかなんだかの話は、正直ピンとこなくって。

 私は曖昧に笑うことしかできなかった。

 お昼ご飯を食べた後、桜子と一緒に女子トイレへと私は向かった。

「千早くん、亜澄のことよくわかってんじゃん!」

 ふたりで洗面所で髪を整えていると、桜子がテンション高く言う。

「うーん……。そうなのかなあ」

 千早くんが、一年生の時から私のことをよく知っている桜子と意気投合しているのだから、確かにそうなのかもしれない。

 だけどやっぱり不思議でたまらない。

 千早くんと私は、まだ出会ってから一週間も経っていない。

 それなのにどうして、桜子と意見が一致するような私のいいところを、千早くんは挙げられるんだろう。