とてつもなく大胆なことを言っているのにも関わらず、一切つっかえることなくすらすらと言う千早くん。

 桜子と涼介くんの前でも、いつもの調子で容赦のない口説き文句を言ってくるなんて。

 ボッと顔を真っ赤にさせてしまった私は、何も言葉が出てこない。

 涼介くんは驚いたらしくて、唖然とした顔になっている。

「えっ、すっげーな千早って……。今三回かわいいって言ったぞ。俺もまあまあ言う方だけど、さすがにここまでは言えないわ」

「誉め言葉として受け取っておきます」

 呆れているのか感心しているのか分からない涼介くんの言葉だったけど、千早くんは満足そうに微笑んで、そう言った。

 いや、本当にすごいよね千早くんって。

 何事にも物怖じしないというか、超然としているというか……。

 それが余計かっこよく見えるんだよなあ。

 一方桜子はと言うと、瞳を輝かせて千早くんを見つめていた。

「なんだー! 千早くんよくわかってるじゃんっ。そうなの! 亜澄は素直で純粋でまっすぐで前向きでそしてかわいいのよ!」

 興奮しているのか、桜子は早口だ。