千早くんは、容赦が無い

「ありがとう。千早くんのおかげですぐに終わったよ」

「いやいや、ほんと楽しかったし。じゃー帰るか」

「うん!」

 思いがけず一緒に花壇の手入れをすることになったけれど、千早くんと喋りながらの作業は私も本当に楽しかった。

 帰り道の足取りも、自然と軽くなる。

「あ、そうだ千早くん。友達から誘われたんだけど……」

 桜子からグループデートの提案をされていたことを思い出した私は、千早くんと並んで帰路につきながら、話を切り出した。

 同じクラスの友達カップルと一緒に出掛けるのってどう?と千早くんに尋ねる。

 場所はあの後桜子と涼介くんと会議を行った結果、近くの遊園地になった。

 いろいろなアトラクションがあるから、知り合ったばかりの私達でも気軽に楽しめるんじゃないかって、ふたりが考えてくれたんだ。

「遊園地? いいね、行く行く」

 迷う様子もなく、千早くんは乗ってくれた。

 千早くんと遊園地に行くことを想像して、すでに楽しみになっていた私は嬉しかった。

「ほんと? よかったー」