千早くんを結構待たせてしまいそうだったので、私はそう提案した。
もちろん私だって千早くんと一緒に帰りたいけれど、作業を途中で投げ出すわけにはいかないし。
――すると。
「俺も手伝っちゃダメ?」
千早くんはきょとんとした顔でそう尋ねてきた。
そんな考え一切浮かばなかった私は、虚を衝かれる思いだった。
なんとなく、こんな地味なことやりたがらないだろうなって思い込んでいたんだ。
「えっ、手伝ってくれるの?」
「うん、亜澄と一緒に帰りたいし」
頷いた後、私をじっと見ながら言う千早くん。
一緒に帰りたいと断言されて、私は内心あたふたしてしまう。
本当に、千早くんは臆面もなく言いたいことを言うなあ……。
「そ、そっか。じゃあ脇芽を摘む作業を一緒にやってほしいな」
動揺を隠しながら、私は言った。
「いいけど、脇芽って何?」
「えっとね、真ん中の茎と太い枝の間に生えてきちゃった、小さい芽のことだよ。こういうやつ」
生えている脇芽をひとつ指さしながら、私は千早くんに説明した。
「ふーん、これが脇芽か。でも、せっかく生えてきてるのに取っちゃうんだ」
もちろん私だって千早くんと一緒に帰りたいけれど、作業を途中で投げ出すわけにはいかないし。
――すると。
「俺も手伝っちゃダメ?」
千早くんはきょとんとした顔でそう尋ねてきた。
そんな考え一切浮かばなかった私は、虚を衝かれる思いだった。
なんとなく、こんな地味なことやりたがらないだろうなって思い込んでいたんだ。
「えっ、手伝ってくれるの?」
「うん、亜澄と一緒に帰りたいし」
頷いた後、私をじっと見ながら言う千早くん。
一緒に帰りたいと断言されて、私は内心あたふたしてしまう。
本当に、千早くんは臆面もなく言いたいことを言うなあ……。
「そ、そっか。じゃあ脇芽を摘む作業を一緒にやってほしいな」
動揺を隠しながら、私は言った。
「いいけど、脇芽って何?」
「えっとね、真ん中の茎と太い枝の間に生えてきちゃった、小さい芽のことだよ。こういうやつ」
生えている脇芽をひとつ指さしながら、私は千早くんに説明した。
「ふーん、これが脇芽か。でも、せっかく生えてきてるのに取っちゃうんだ」



