慌ててしまって言葉がうまく出て来ず、時間がかかってしまったけれど、なんとか桜子には伝わったようだった。

『まさかそんなことになるなんてびっくり! テンション上がるうっ。しかもかっこよかったんでしょ!? それならもう「ちぇりー」は亜澄ってことにしちゃおうよ!』

 興奮しているのか、早口で桜子が言った。

 え?

 『ちぇりー』は私ってことにする……!?

 ちょ、ちょっと待って!

「えっ!? でも桜子、『セン』くんとこれからも『アオハル』上では仲良くしたいんじゃなかったの?」

「こうなったらもうそんなことどうでもいいからっ! 亜澄と『セン』くんがくっつく方が面白そうじゃん!」

 食い気味に桜子は答えた。

 お、面白そうって……。

 まあ確かに、客観的に考えればかなり面白い状況かもしれない。

 その日限りの身代わりで行った私が、まさか告白されちゃうなんて。

 でも、ちょっと待ってよ。

「だけど桜子。『セン』くんは『ちぇりー』のことが好きだって言ったんだよ? それって私のことじゃなくて、桜子のことを好きって意味だと思うんだけど」