――私が千早くんにすべての秘密を打ち明けてから、一週間。

「おはよ、亜澄」

「あっ、陸。おはよう」

 朝家を出て少し歩いたら、背後から陸が私に挨拶をしてきたので、私は振り返って挨拶をし返した。

 そういえば陸が私に告白するという一件があってから、彼と朝学校に行くことはなかった。

 別に私は避けていたわけじゃないけれど、こうして鉢合わせすることがなかったんだ。

 陸が私に会わないようにしていたのかも……。

 ――だから。

「な、なんだか久しぶりだね。こうして朝に陸と会うの」

 私が恐る恐るそう尋ねると、陸は少し気まずそうに笑った。

「……いや、だってさ。亜澄に告白した手前、なんか気まずかったし」

「あ……」

 やっぱりそうだったんだ。

 まあ、それはそうだよね……。

 あれから、私と千早くんはそれまで以上に親密な関係になり、学校でもちょっと噂になるくらいの公認カップルとなった。

 ちなみに、私が「ちぇりー」だって千早くんにちゃんと言えたことは、桜子が陸に話したらしい。