大好きって言うのはやっぱり恥ずかしかったから、ちょっとたどたどしくなってしまったけれど。

 私はありったけの想いを込めて、そう言葉を紡いだ。

 すると千早くんは、私の背中に腕を回して、そっと抱きしめた。

 えっ!?と驚く私。

 だって、周りにはまだ部活をしている運動部員たちがいるのに。

「ち、千早くん……?」

「あーもうほんとかわいい。ほんと大好き。もう離さない」

「え……あ、周りに人がいるんだけど……」

「いいじゃん、もう。亜澄に他の男が寄り付かないように、見せつけてやる」

 そ、それはやっぱりすごく恥ずかしかったけれど。

 独占欲むき出しの千早くんの様子は、嬉しくもあった。

「おー、熱いねー!」

「やるぅ!」

 誰かからのそんな冷やかしが少し離れたところから聞こえてくる。

 だけど千早くんはやっぱり私を離さない。

 私もなんだか周りのことなんてどうでもよくなってきちゃって、千早くんの胸に顔を埋めた。

 そして私は千早くんの胸の中で、こう言った。

「千早くん、大好き。これからもずっと、よろしくね」

「こちらこそ」