でも、「ちぇりー」の件は、私と千早くんの出会いに関わる重要な事柄だ。

 それを千早くんに言わないままにしておくのは、うまく言えないんだけどなんだかダメな気がするんだ。

 言わない方がみんな幸せなんじゃ……って思う時があることは事実だけど……。

 やっぱり、このまま私の胸にしまい続けるのは、心苦しさを覚えて難しそうだ。

 この複雑な気持ちを桜子に相談しようかと思ったけれど、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴ってしまった。

 桜子と話す時間が取れないまま、放課後を迎えた。