だけどそんなことなんて気にならないくらい、私は驚いてしまっていた。

 確かに桜子は美人で気さくだから、男子に告白されるのはそんなに珍しくはない。

 だけどクラスで人気ナンバーワンと言っても過言じゃないくらいモテる涼介くんからの告白だったので、さすがに私もびっくりしてしまったんだ。

「そ、それでどうなったのっ?」

「結論から言うと、付き合うことになりました!」

 えへへと、少し照れながら笑って桜子は答える。

「そうなんだ! ……あれ、でも桜子って涼介くんのこと好きだったっけ?」

 かっこいいよねとは前に言っていた覚えはあるけれど、好きって話は聞いたことが無い。

「うーん、まあ実はあんまり意識したことはなかったんだよね。それで、正直にそう言ったの。『かっこいいとは思っていたけど、好きって気持ちは無い』って。そしたらそれでもいいんだって」

「えっ、それでもいい……!?」

 告白してきた相手に「好きって気持ちは無い」ってきっぱり言える桜子に感心するのと同時に、「それでもいい」って言う涼介くんの答えに私は驚いてしまった。