――そっか、やっぱりそうだよね。

　なんだか千早くんが少しだけ回答に迷っていたような気がしたけれど、雑草取りに集中していただけかも。

　じゃあやっぱり、昔からっていうのは「アオハル」でやり取りしていた頃ってことだ。

　その時の当たり障りのない会話から、なんとなく「ちぇりー」の優しさを千早くんは感じ取ったんだろう。

　まあ、実際にその時「ちぇりー」だった桜子は優しい子だし……。

　あり得ない話じゃないと思う。

　だけどそうなるとやっぱり。

　千早くんが好きになったのは、「ちぇりー」ってことになるよね。

　はあ、どうしようこの気持ち……。

　その後雑草取りが終わって一緒に帰ることにした私たち。

　いつものように、千早くんは「かわいい」とか「好き」とか、息を吸うように私に言ってくる。

　容赦なく、私の恋心を揺さぶってくるんだ。

　千早くんのことを諦めなきゃって思えば思うほど、どんどん彼への恋心は大きくなってしまう。

　恋って、ここまで思い通りにならないものなんだ。

　自分の気持ちなのに、本当に不思議。

　私はもう、どうしたらいいのかわからなかった。