囚われた花は、今日も愛でられる

連絡先を交換してからは、仕事でも和馬と一緒になることが多くなった。和馬の出演するバラエティー番組にゲストとして出演することになったり、和馬が主演を務めるドラマに脇役で出たり、様々な場面で和馬と関わることが多くなっていく。

「何だかこれって運命みたいだね。僕たち、赤い糸で結ばれてるのかな」

番組の収録が終わった後、萌花が声をかけると和馬はそう言った。もしも、本当にそうなのだとしたら……そう考えるだけで萌花の顔が赤くなる。

「和馬さんと赤い糸で結ばれていたら、他の女優さんたちに申し訳ないですよ。こんなモデルも女優にもなりたての私なんて……」

和馬の周りにいるのは、幼い頃から芸能界で活躍してきた人ばかりだ。和馬の隣に立つのならば、そのような人たちの方がいいに決まっている。

萌花がそう思いながら俯いていると、ふわりと頭を撫でられる。

「そんな顔しないで。僕は、笑っている萌花ちゃんが好きだな。それに、僕の人生は僕のものなんだから、相応しいとか相応しくないとか関係ない。僕が「この人がいい」って思う人を選ぶよ」