「すぐに居場所を特定するぞ!」

「はい!」

 タイムリミットは、後十分しかない。 間に合うのか……。

「……一織」

「はい」

「お前は彼女を探しに行け! ここは俺たちに任せろ!」

 来栖さんは、俺にそう言ってくれた。

「でも……」

「大丈夫だ!……俺たちが必ず、アイツをここに連れてくるから」

「……はい。よろしくお願いします」

 美由紀という人物の捜索は来栖さんたちに任せ、俺は麻衣を探すことにした。

「麻衣!どこだ! どこにいるんだ、麻衣!」

 クッソッ……! 麻衣はどこにいるんだ!

 それにあれから、犯人の姿も見当たらない。……どうすればいいんだ!

「落ち着け。落ち着くんだ、俺……」

 麻衣は必ず、この近くにいるはずだ。拉致されたとなると、そんな遠くへは行けないはずだ。
 
「もしかして……監禁か?」

 そうだとしたら、麻衣はアウトレットモールの外のどこかに閉じ込められているはずだ。
 考えられるのはどこだ……。考えるんだ、俺。

「もし、監禁するとしたら……」

 駐車場は絶対に無理だし、店内に監禁することは不可能に近い。
 となるとーーー。