頼む……。顔認証システムにヒットしてくれ。 そうすれば、麻衣を一刻も早く助けられる。

「どうだ、小野田? ヒットするか?」

「……ダメです。ヒットしません!」

 アウトレット内の防犯カメラ映像には、美由紀はヒットしなかった。

「なあ、アウトレットの駐車場の防犯カメラは、どうだ? もし彼女が車で来てたとしたら……」

 車で……? そうか……!!

「エヌシステム、ですね?」

「そうだ。車のナンバーでヒットしないか?」

「やってみます」
  
 顔認証システムでヒットしなかったということは、もしかしたらエヌシステムでヒットする可能性は高くなる。
 今度こそ、ヒットしてくれ。……頼む。

 こうしている間にも、一刻一刻とタイムリミットは迫っていく。 早く美由紀を見つけ出して、ここに連れてこないと……。

「……ヒットしました!」

「本当か!?」

「はい。間違いないです」

 よし!エヌシステムでヒットしたか!

「小野田、ここ拡大出来るか?」

「はい」

 車を運転する女の映像を、小野田さんが拡大すると……。

「一致しました!間違いありません!」