妖の街で出会ったのは狐の少年でした

次の日からまた、大忙しだ。
団体客が多く、休憩もほとんどできず、
お正月もあまりのんびりできなかった。
三箇日が終わりやっと、客足が徐々に穏やかになり、休憩も取れるようになった。休憩中はのんびり・・・
「できませんよ。カズハ様」
ロクが宿題を持って部屋にやってきた。すっかり、宿題のことを忘れていた。
「疲れているのはわかりますが、終わらせないとまずいんですよ。
終わらせないとヨナガ先生から罰があるんです。」
「罰?」
「毎月、月の初めに渡されるプリントがありますよね。あそこに冬休みの宿題未提出者として、載ります。」
(精神的に痛いやつだ)
(ヨナガ先生の脅し文句なだけ
かもしれないが)
そこから30分休憩の間、宿題を少しずつ片付け、たまには徹夜をした。
「お疲れ様です、カズハ様。全て片付きましたね」
なんとか始業式の2日前には終わらせることができた。
客足が落ち着いてきたから明日は午前
のみで午後はゆっくりしていいと、ナグモさんが半休をくれた。
午後は部屋でのんびりしながら、明日の準備をする。
そして冬休み明けの登校日ーー
「おはよーカズハおねーちゃん」
座敷童のチヨ
「おはよー」
雨少女のスイウ
「はよ、カズハ」
ろくろ首のジュン
「おはよう、みんな」
「そいつ/そのおにーちゃん、
 誰?/だぁれ?」
チヨたちの声が重なる
「俺に向けた開口一番がそれですか?」
「そのしゃべり、ロク?」
(うわ、ロク。すげー美男子、自分で思って、すげー悲しくなるのはなんでだろ)
「ロクおにーちゃん、
もうあれつけないの?」
「はい、もう必要ないですから」

ヨナガ先生が教室に入ってくる
「皆さん、おはようございます。
そしてあけましておめでとうございます。早速ですが、宿題の提出を・・」
ヨナガ先生がロクと目が合う。
先生は目を見開いたがすぐに、優しそうな顔になった。
(やっと、打ち解けてくれましたね)

ちなみに宿題の未提出者はいなかった。
今日は、授業ではなく掃除をしたり
配布物を仕分けたりをする。
チヨが水の入ったバケツを
ひっくり返したり、ジュンがワックスの床に滑り運んでいた配布物をばら撒いたりと、ハプニングはあったが掃除は終了
配布物の配布は特にお咎めもなく終わる

やることが終わったので、今日は終了。
各々、帰り支度をして学校を出る。
私たちは宿に帰り、準備をする。
着物の着付けは自分でできるようにし、帯だけロクにしてもらうようお願いにした。
最近団体客が多い中、二名のお客様だ。
私と同い年くらいの女の子と母親らしい女性。
名簿には、ナツキと書かれていた。
ナツキさん・・・
またどこかで会うかな

その再会はきっともうすぐ。