君を好きになるなんて

そして、2月14日。
私は冬真を放課後の教室に呼び出し、刻々と進む時計を睨みつけていた。
「スゲー顔」
気付くと冬真が後ろに立って、クスクスと笑っていた。
「い、いつのまに?」
「ついさっき。で、何?」
「えっと…」
私は思わず持っていたチョコの袋を握りしめた。
「これ」
「あ~。”ついで″のチョコな。ありがとう」
「ついでじゃない」
「えっ」
私が否定すると冬真がキョトンとした顔でこちらを見た。
「あの、いろいろありがとう。おかげで立ち直れた。冬真がいてくれて良かった。あの、私が言いたいのはね…」
「ストップ」
いよいよ本題に入ろうとした時、口をふさがれた。