君を好きになるなんて

「夏はバレンタイン、誰に渡すの?」
「う~ん。冬真と春輝君かな?」
「あれ?柊君にも渡すの?」
「うん!」
花に春輝君の告白の話はしていない。わざわざ自分で傷をほりかえす気もない。私がここまで立ち直れたのも冬真のおかげだ。
冬真はあれから、私が完全に元気になるまで遊園地や水族館などいろんな所に連れて行ってくれた。
「私は、冬真に渡したいの」
「そっか」
私が笑顔で言うと何かを察したのか、花も笑顔で頷いてくれた。