「自分で言わないで下さいよ!」
「なんでよ!言ってもいいじゃん。」
こうやってすぐに言い合いするのは煌くんだからなんだろうな。
「来年には、俺も高校生で同じところで走るんですよね。」
「そうだよ。…どこに行くか、決まった?」
「全然です。」
なのに、私と同じとこに行きたいからって、言ってくれたんだよね。
「ふふっ。」
「なんですか、急に。」
「ううん、嬉しくなっただけ。」
愛されてるなって。
自分だけじゃなかったんだなって。
「うちも、行きたかったよ。」
「クス。知ってます。でも、そんな先輩だから。俺はいつまでも背中を追うんです。」

