「えっ、これって……」

スケッチブックに描かれていたのは、全て真希だった。笑っているところ、料理をしているところ、歌を録音しているところ、まるでアルバムのようにページをめくれば次々と色んな真希が出てくる。だが、真希はその絵を見て背筋がゾッとしてしまう。

絵の中には、夏希には見せたことのない部屋着姿でくつろぐ姿や、お風呂上がりの裸の状態の絵まであるのだ。

「何これ、何でこんな絵が描いてあるの?」

震える手からスケッチブックが落ち、真希は真っ青な顔で後ずさる。すると、手が何かにぶつかった。それは真新しいパソコンで、電源が入っている。

「夏希の仕事って、パソコンなんて使うっけ?」

恐怖を誤魔化すため、パソコンの画面を軽い気持ちで覗いた真希だったが、その画面にはさらに恐ろしい光景が映し出されていた。

夏希のパソコンの画面には、真希の部屋が映し出されていた。リアルタイムで映像が流れているらしい。つまり、パソコンを覗けばいつでも真希の生活が見れるのだ。