朝と同じように2人並んでエレベーターに乗り込む。
隣にいるしーちゃんからは朝と違い微かにコーヒー香りがした。
「あ、そうだ。おにぎり美味しかった。ありがとう」
「よかった」
「おかげで撮影も順調に進んだよ」
「それはおにぎり関係ないでしょ」
そう言ってしーちゃんが笑う。
関係あり。大あり。
しーちゃんの存在がどれだけ俺の力を与えてるか知らないでしょ?
こうやって会えない間も、ずっと心の支えになっていた。
「じゃあ、またね。おやすみ」
「おやすみ、しーちゃん」
マンションのエントランスからエレベーターに乗り込みうちに着くまで約5分。
この些細な時間にさえも幸せを感じているのは、きっと俺だけ。