結局、私が眠りについたのは明け方。
その数時間後、目を覚ますと繋がれていた片方の手はいつの間にか自由になっていた。
なんだかそれが寂しくて、繋がれていた方の手を見て「はぁー」とため息をつく。
あれは私の都合の良い夢だったんじゃないだろうか?
せめてこの手に、一吹くんの温もりが残っていたらよかったのに。
隣を見るとヒナちゃんと一吹くんはまだ眠ったままで、私は先に起きて身支度を済ませる。
後から起きてきた一吹くんは普段と変わらない様子で、私1人がまた想いを募らせることとなった。
そして、旅行2日目も観光地を巡り京都を満喫した私達は岐路へとつく。
最後まで一吹くんの発した言葉の真意は謎のまま……。
というより、現実だったのかもわからぬまま私達の旅行は幕を閉じた。